
「ディープクランクは難しそう。」
そう感じて、手を出していない人は多いと思う。
ロッドへの負荷が大きそうだし、根掛かりも怖い。そもそも水深4〜5mを巻き物でどう攻略するのか、イメージしづらい。
僕自身も、最初はかなり身構えていた。
シャロー中心の釣りをしていると、ディープクランクはどうしても“上級者向けの特殊なルアー”に見えてしまう。
そんな人に向けて、今回はOSPのブリッツEX-DRを実際に使って感じたことを率直にまとめたい。
結論から言えば、夏のサマーパターンや冬のディープ攻略ではかなり頼れるルアーだ。
ただしその一方で、専用寄りのタックルと根掛かりへの覚悟は必要になる。シャロー中心の釣り人が、なんとなく買って気軽に使うタイプではない。
Contents
ブリッツEX-DRってどんなルアー?
ブリッツEX-DRは、OSPのブリッツシリーズの中でもっとも深いレンジを引けるモデル。
名前の「EX」はExtra、「DR」はDeep Runnerの略で、その名の通りしっかり潜るディープクランクだ。
シャロー用のクランクやスピナーベイトでは届かないレンジを、一定速度で巻くだけで探れるのが最大の特徴。
狙う水深はおおよそ4〜5mで、夏にバスが深場へ落ちるタイミングや、冬に低活性の魚がボトム付近に張り付く場面で出番がくる。
スペックと潜行深度
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 70mm |
| 重量 | 18.5g |
| タイプ | フローティング |
| 潜行深度 | 約4〜5m(ロングキャスト時) |
| フック | #4トレブル×2 |
注意したいのは、4〜5mまで潜るのはロングキャスト時という条件付きだということ。
近距離ではそこまで潜らず、思ったより浅いレンジを引いてしまうこともある。
大きめのロングリップが特徴で、このリップが水をしっかり受けることで深いレンジまで引き込んでくれる。
また、フローティングなのでリトリーブを止めれば浮き上がる。これによって、ボトムや障害物に当てながら使っても、ある程度は根掛かりを回避しやすい。
実際に使ってわかったこと
対岸のロックエリアに向けてロングキャストし、着水後すぐに巻き始める。
しっかり潜り切るまでにはそれなりに距離が必要で、体感では10〜15mほどは“潜らせるための助走”がいる。
ブレイクのトップに差しかかったあたりで、ゴリッとボトムに触れる感覚が出た。
そのまま2〜3回バンプさせながら通していくと、3投目で明確なバイトが出た。
このときに強く感じたのが、ディープクランクはただ巻くだけの釣りではないということだった。
大事なのは、ルアーを“巻くこと”ではなく、狙ったレンジにしっかり入れること。
そのためにはキャスト距離の確保がかなり重要になる。
短い距離しか引けない場所では、思ったほど潜らず、結局は中途半端なレンジを巻いて終わることも多い。
ブリッツEX-DRが強い場面
夏のサマーパターン
夏の日中は表層水温が上がりすぎて、バスがシャローから離れることがある。
そのときベイトと一緒に魚が集まりやすいのが、サーモクライン付近や深めのブレイクラインだ。
ブリッツEX-DRなら、そうした4〜5m前後のレンジを効率よく横方向に探れる。
ワームのように点ではなく、広く面でサーチできるのが強みだ。
冬のディープ攻略
冬は低水温の影響で、バスが深場に落ちて動きにくくなる。
そんなとき、岩盤やハードボトムに絡む4mラインをゆっくり引いて、リアクション気味に口を使わせる展開がある。
ブリッツEX-DRは、スローに巻いてもアクションが破綻しにくいのが使いやすいところ。
冬の“速く動かしたくないけど、止めすぎたくもない”微妙なテンポにも合わせやすい。
リザーバーやダム湖のブレイク攻略
このルアーが本領を発揮しやすいのは、やはり地形変化のあるフィールドだと思う。
野池のように全体が浅く、変化も少ない場所より、ブレイクや岬、立木、岩盤が絡むダム湖やリザーバーのほうが出番は多い。
カケアガリや水中の変化をトレースしながら巻いていける場面では、ディープクランクならではの強さが出る。
根掛かりとタックルの問題
根掛かりはやっぱり多い
ディープクランクである以上、ボトムに当てて使う場面は多い。
その分、当然ながら根掛かりの頻度も上がる。
特に岩盤や沈み物の多い場所では、1日のうちに何度かスタックすることは珍しくない。
フローティングなので、引っかかった瞬間に巻くのを止めれば浮いて外れることもあるが、それで毎回助かるほど甘くはない。
正直、1シーズンで1〜2個はロストしてもおかしくないルアーだと思っていたほうがいい。
ディープを攻める以上、ある程度は消耗品と割り切る必要がある。
ロッドへの負荷はかなり大きい
個人的に、根掛かり以上に大事なのがこっち。
18.5gのボディに長いリップが付いていて、深く潜らせながら巻くので、リトリーブ中の負荷はかなり大きい。
柔らかすぎるロッドや、何でもこなす系のバーサタイルロッドで無理に使うと、巻いていてしんどいし、操作感も悪い。
場合によってはタックルに無理がかかる。
「ディープクランクはロッドが折れそう」というのは大げさな話ではなく、合っていないタックルで無理に使えば十分あり得ると思う。
おすすめのタックルセッティング
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| ロッド | グラスコンポジット素材、ミディアムパワー、7ft前後 |
| ライン | フロロカーボン 12〜16lb |
| リール | ベイトリール、ギア比5〜6(ローギア推奨) |
ロッドは、できればグラスコンポジット系のクランキングロッドが使いやすい。
カーボン100%のロッドだと張りが強すぎて、ルアーの動きを吸収しにくく、バイトを弾いたりラインに負担がかかったりしやすい。
グラスが入ることでティップが追従しやすくなり、巻き抵抗も少しマイルドに感じやすい。
専用ロッドまではいかなくても、クランキング向きの設計のロッドがあるとかなり楽になる。
ラインはフロロ12〜16lbが目安。
ただしラインを太くすると潜行深度が落ちるので、4〜5mをしっかり攻めたいなら14lb以下のほうが現実的だと思う。
リールはローギア寄りが相性いい。
ディープクランクは巻き抵抗が強いので、ハイギアだと単純に疲れる。ギア比5〜6くらいのリールのほうが一定速度で巻き続けやすい。
向いている人・向かない人
向いている人
- ダム湖やリザーバーで、夏や冬のディープをしっかり攻めたい人
- すでにクランキングロッドやグラスロッドを持っている人
- ディープクランクの釣りをひとつの戦略として組み立てたい人
- 根掛かりロストも含めて、ディープ攻略に本気で取り組みたい人
向かない人
- 野池やシャロー中心で、深くても2m前後までしか釣らない人
- 1本のバーサタイルロッドで何でもこなしたい人
- ディープクランク用のタックルを揃えるつもりがない人
- 根掛かりのストレスを極力避けたい人
シャロー主体の釣り人が、なんとなく買ってすぐにハマるルアーではない。
フィールド、水深、季節、この3つが噛み合って初めて活きるルアーだと思う。
まとめ
ブリッツEX-DRは、ただ「深く潜るクランク」というだけのルアーではない。
夏の深場に落ちた魚に届かせたいとき。
冬のブレイクを横方向に丁寧に探りたいとき。
そういう“必要な場面”で使ってこそ、このルアーの価値が見えてくる。
その反面、汎用性は高くない。
専用寄りのタックルが欲しくなるし、根掛かりロストもある程度は前提になる。
だからこそ、誰にでもすすめやすいルアーではないけれど、リザーバーやダム湖でディープパターンを本気でやる人にとっては、十分1軍に入る実力がある。
逆に、まだディープクランクに慣れていない人や、まずは中層を広く探るところから始めたい人は、ブリッツMRあたりから入るほうが扱いやすいと思う。

